我が家では、食事制限による不満足感の解消のために、よく衣(ころも)を使います。いわゆる揚げ物の周りに付いている小麦粉を成分としたアレです。
衣(ころも)の摂取は、ダイエットには敬遠されがちですが、適度に食べる分には食事の満足感につながります。特に、腎臓病などによるたんぱく質の制限がかかる人にとっては、食事を充実させるための一つの選択肢となり得ます。サクッとした食感もいいですよね!
今回ご紹介するのは、減塩調味料を使ったエビ天のり巻きです。2月3日の節分の日に、恵方巻の巻き寿司をつくるのに合わせてエビ天巻きもつくってみました。
塩分とたんぱく質の両方に配慮して調理しましたので、食事制限中の方や減塩や健康に関心のある方がおいしく減塩できるようレシピを紹介いたします。
目 次
材料(1巻き分)
<エビ天>
ブラックタイガー 2尾(50g)
小麦粉 大さじ1
卵 1/4個
フリルレタス 2枚
<天つゆ>
減塩だし醤油 大さじ 1/2
減塩だしつゆ 大さじ 1/2
砂糖 大さじ 1/2
減塩マヨネーズ 小さじ 1
天つゆに使ったのが、塩分60%カットの「寺岡屋 減塩だし醤油」。塩分が大きくカットされていますが、羅臼こんぶのだしとかつおだしがベースの醤油で、どんな料理でもとても良い仕事をしてくれるお醤油です。
そして、塩分50%カットの「塩ぬき屋 だしつゆ」。国産のかつおだしにこだわり、リン50%、カリウム70%をカットした、腎臓疾患の方も安心して使える旨みあるだしつゆです。
エビ天と一緒に巻いたフリルレタスにはマヨネーズを軽くしぼりました。使ったマヨネーズは「キユーピーアマニ油マヨネーズ」。塩分が約30%カットされ、血圧を下げるアマニ油が30%配合された健康的でコクのあるマヨネーズです。
つくり方
エビ天の準備
エビ天は既製品でも構いませんが、我が家ではたんぱく質をなるべく減らすために、卵の量を控えています。以下、ざっくりですが作り方の手順をお示しします。
①エビは尾を残して殻をむく。
②背ワタを取り、まな板の上で背側から押さえ付け、串刺しにしてエビの体をまっすぐに伸ばす。
③減塩だし醤油、減塩だしつゆ、砂糖を混ぜ合わせて天つゆをつくる。
④ボウルに卵と冷水を入れ混ぜ合わせ、そこへ小麦粉を加えて衣をつくる。
⑤エビを衣に通し、油でさくっと揚げる。
⑥串を抜き、揚げたてのエビ天を天つゆにからめる。
巻き方
①巻きすに焼きのりを置き、手前1cm、向う2~3cm程度空けて、酢飯を薄く均一の厚さに敷き詰める。
②酢飯の真ん中あたりにレタスを敷き、マヨネーズを軽くぬっておく。
③天つゆにからめたエビ天を2本、尾を外側に向けて置く。
④エビ天を押さえるように巻きすごと転がし、少し力を入れながら整形する。
⑤巻いた状態で海苔と酢飯を適当な時間なじませ、あとは適当な大きさに切って出来上がり。
(↓海鮮巻きも混ざっておりますが、、、)
栄養成分値(1本分)
上記レシピに基づいたエビ天巻きの成分を下表に示します。
日本食品標準成分表(八訂)または「腎臓病の人のための食品成分表(主婦の友社)」に基づいて作成しました。
たんぱく質は18.1g、塩分は1.3gにおさえることができ、一人1巻分を越えても食べ過ぎなければ問題ない成分値と思われます。1食分として物足りないとお感じの方は、付け合わせや汁物でうまく調整していただければ良いでしょう。
エネルギー | たんぱく質 | 食塩相当量 | カリウム | リン | |
ブラックタイガー(50g) | 39 | 9.2 | 0.2 | 115 | 105 |
衣(ころも)*1 | 86 | 4.3 | 0.1 | 49 | 52 |
フリルレタス *2 | – | – | – | – | – |
天つゆ *3 | 17 | 0.7 | 0.9 | 34 | 16 |
酢飯(0.5合) *4 | 252 | 3.8 | 0.0 | 51 | 56 |
マヨネーズ | 37 | 0.1 | 0.1 | n.d. | n.d. |
合計 | 431 kcal | 18.1 g | 1.3 g | 249mg< | 228 mg< |
*1 吸油率は8%で計算しました。
*2 フリルレタスは定量限界以下で、集計に含めませんでした。
*3 天つゆはエビ天にからめた後の残量に基づき50%で計算しました。
*4 酢飯には米酢と砂糖(三温糖)を使用しています。
減塩エビ天のり巻きを食べてみた感想
2022年の恵方は北北西。
夕食時、エビ天巻きを両手でつかみ北北西の方向を見ると、そこには不運にも老いた父親の顔がありました。心持ち方角をずらして、父の顔を見ないようにして食べましたが、果たして良いことはあるのでしょうか?
減塩したエビ天巻きはやはりあっさり薄味ですが、良質な調味料を使っていますので、おいしくいただけました。巻きすの使い方には少しコツがいるようで、私の慣れない巻き方ではゆるくて崩れやすかったことが少し残念でした。
塩分にはやや厳しく調理しましたので、もっとやさしくしたい方は、エビや酢飯に塩を振るとか、もう少し時間をかけてエビ天を天つゆにつける(代わりにサクサク感は落ちますが)などの工夫をされても良いと思います。
ぜひ今回のレシピをご参考いただき、皆様も減塩調味料を使って巻き寿司をおいしく減塩してみてください。
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